- ダン・ブラウン(越前敏弥・訳)「天使と悪魔 上・下」 2007年07月04日
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天使と悪魔(上)
著:ダン ブラウン , 他
角川書店 単行本
2003/10/31
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天使と悪魔(下)
著:ダン ブラウン , 他
角川書店 単行本
2003/10/31
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宗教象徴学者ロバート・ラングドン教授のシリーズ第一作。もっとも読者の多くが第二作「ダ・ヴィンチ・コード」を先に読んでいるに違いない。 基本プロットは「ダ・ヴィンチ」と同じで、キリスト教にまつわり巷間ささやかれる陰謀論がモチーフである。本作で主人公らを脅かす敵となるのは陰謀論の世界ではそこそこポピュラーな存在であろう秘密結社イルミナティ。科学者が惨殺されて危険な反物質が奪われ、現場に残されたイルミナティの紋章から、専門家としてラングドンが呼ばれるという物語の幕開けも「ダ・ヴィンチ」と似た展開である。謎の壮大さは「ダ・ヴィンチ」に一歩譲るが、スリル満点のストーリーはこちらの方が出来がよく感じた。 やはり面白い。見せ場見せ場の連続でどんどん読める。これだけ詰め込むとご都合主義が鼻に付きそうなもので、ベストセラー作家として一世を風靡した故シドニー・シェルダンの小説がやはり同じようなジェットコースターストーリーだった(数作しか読んでいないけど)が、ご都合主義も目立っていた。ダン・ブラウン作品もやはり都合のよい展開がないでは無いのだが、処理が巧くてあまり気にならない。もう何冊も読み続けるともしかして飽きが来るのかもしれないが、まだその気配はなく、しばらくは楽しめそうである。8点。
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