読書日記

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荻原浩「誘拐ラプソディー」 2011年01月19日

誘拐ラプソディー (双葉文庫)

 著:荻原 浩
双葉社 文庫
2004/10

 作者の名前はわりとよく目(耳)にしていたのだけど、そうか、これまで読んだことはなかったっけ。。第10回小説すばる新人賞(1997年)を受賞した『オロロ畑でつかまえて』がデビュー作で、そう言えばそれも題名をよく聞く。そのうち読んでみよう。
 
 2001発表の本作品を原作とした映画が、昨年(2010年4月)、高橋克典主演で公開されていたらしい。主人公の名前は伊達秀吉。何とも大仰な名前であるが、実はダメダメ人間。冒頭の場面では借金でにっちもさっちもいかなくなって自殺しようとするのだが、そんな度胸があるはずもなく、なんやかやと理由を付けて踏ん切れない。そうやってドタバタしているうちに出会ったのが六歳の男の子。どうやら金持ちの家の子らしいこの子を誘拐して身代金を手に入れることを思いつく。
 
 秀吉の作戦(と言っても基本は行き当たりばったりなのだが)が前もって説明されないので、前半は倒叙形式の誘拐ものみたいにも読める。中盤で(秀吉から見た)雲行きが一変し、実は子供がヤクザの大親分の子供だったことが分かって、ヤクザとチャイニーズマフィアの手から逃れるハラハラの逃亡劇になる。
 
 「笑えてしみじみ泣ける、最高にキュートな誘拐物語」と紹介文に書かれているとおりの物語だった。秀吉はダメ人間ながらも憎めない三枚目だし、さらわれた(と本人は認識していないが)子供の伝助もすっとぼけたいい味を出している。笑いながら読んでいるうちにハラハラさせられて、最後は実にしみじみとして終わる。作者の他の作品もぜひ読みたくなった。8点。
 

道尾秀介「花と流れ星」 2011年01月05日

花と流れ星

 著:道尾 秀介
幻冬舎 単行本
2009/08

 霊現象探求所所長の真備庄介(まきびしょうすけ)と助手の北見凛、そして友人のホラー作家・道尾の3人がメインキャストをつとめるシリーズ第3弾の短編連作集。
 
 おっと、知らなかった。こんなシリーズがあったのか。って、作者のデビュー作こそがシリーズ第一弾の『背の眼』(未読)なのだから相当うっかりしていたと言う話だ->自分。第二弾が『骸の爪』でこれももちろん未読。作中でしばしば過去の事件が仄めかされるが、本書を読むのに支障はない(はず)。真備は死んだ妻に会いたくて霊現象探求所をやっているが、現実には不思議な事件にも合理的な説明をつけて解決してしまうことになる、というのが基本設定らしい。ユーモアもあるが全体にはしみじみとした雰囲気を持つシリーズだ。
 
「流れ星のつくり方」本格ミステリ06』(本格ミステリ作家クラブ・編)で既読だった。旅先で出会った少年が語る事件の、密室の謎を解くお話。しみじみとしながらも、もの悲しい。
「モルグ街の奇術」いかにも本格ミステリの小品っぽい雰囲気を漂わせた作品。最後のプラスアルファは微妙なところ。うわっとも思うし、蛇足にも思える。7点。
「オディ&デコ」小学4年生の女の子が持ち込んだ相談の内容は携帯動画に映り込んだ仔猫の幽霊。風邪で寝込んでいる真備に代わり、珍しく(?)道尾の推理が冴える。7点。
「箱の中の隼」忙しい真備の替え玉となって道尾が連れてこられた新興宗教の本部で見たものは…。細かい伏線がふんだんに仕込まれていた。7点。
「花と氷」死なせてしまった孫娘に会いたいと相談を持ちかけてきた初老の男性。後日、彼が孫と同年代の少女たちを集めた「おたのしみ会」を開催しようとするのだが、その目的は…。7.5点。
 

西澤保彦「動機、そして沈黙」 2010年12月19日

動機、そして沈黙

 著:西澤 保彦
中央公論新社 単行本
2009/07

 作者のノンシリーズ短編集。多作の作者であるが、ノンシリーズの短編集はこれでまだ二冊目とのこと。収録作品の書かれた年代はデビュー直後('95「迷い込んだ死神」)から最近のもの('09「九のつく歳」)まで幅広く、表題作は書き下ろし。
 
「ぼくが彼女にしたこと」過去という時間の薄皮を剥がすようにして最後に露わにされる真相。いささか強引な面はあるけれども。7点。
「迷い込んだ死神」死に場所を求める男の前に現れた家にて。男が家を訪ねたのは突発的な出来事のはずなのに、という瑕疵はあるが、ホラーテイストと思わせておいてトリッキーなオチが面白い。7.5点。
「未開封」近年の作者の特徴である(私はマイナス評価だが)「登場人物がみんな珍名」と「エロス」が目立つ作品。一応サイコホラー?6点。
「死に損」これも珍名さん勢揃い。過去と現在が絡み合う中で、事件の謎にじわりじわりと迫って行く。ラストはちょっと分かりづらい。6.5点。
「九のつく歳」ストーカーによる恐怖と不気味さを描くのかと思いきや、最後は意外な展開になる。幻想的要素も入ってきて、本来あまり好きではないが、これならあまり違和感はない。7点。
「動機、そして沈黙」時効を迎えようとしている『平成の切り裂きジャック事件』について妻と語る定年間近の刑事がたどり着いた真相と意外なリンク。7.5点。
 

道尾秀介「球体の蛇」 2010年12月13日

球体の蛇

 著:道尾 秀介
角川書店(角川グループパブリッシング) 単行本
2009/11/19

 まずタイトルに興味を引かれる。冒頭にサン・テグジュペリ「星の王子さま」から引用したエピグラフがあり、ああ"球体の蛇"とはこのことかと思う。物語の中でこれがどのような意味を持ってくるのか。
 
 読む前には、このちょっと奇抜で印象的なタイトルから、斬新なトリックでも駆使したミステリなのだろうかと勝手に想像していた。しかし、時を隔てた過去の中や、人の心の奥底に潜んでいた真相が、最後の方で明らかになっていくところなどはミステリ的とも言えるが、ミステリと言うよりはむしろ純文学寄りな小説であった。
 
 不幸と秘密にいろどられた過去を回想していく形でストーリーは進む。物語の全体が、物悲しく寂しげで陰鬱な雰囲気に覆われている。いま映画が公開されている村上春樹の「ノルウェイの森」もこんな感じだったっけ。いや、全然違ったかな。なにせ読んだのが最初に文庫化されたはるか昔なのでほとんど忘れているのだが、なんとなく雰囲気から連想した。寂寥感とか喪失感とか。たとえ凶悪犯罪でもドライなタッチで描かれている分には気にならないのだが、じめっとした雰囲気の物語はどちらかと言われれば自分はあまり好みではない。でもきっとこういうのが好きな人もいるだろう。6.5点。
 

米澤穂信「犬はどこだ」 2010年12月04日

犬はどこだ (創元推理文庫)

 著:米澤 穂信
東京創元社 文庫
2008/02

 これが、作者が世に出した6番目の作品だそうだ。2005年(2006年版)の「このミステリーがすごい!」で第8位を獲得している。作者の知名度アップに大きく貢献した作品でもあるだろう。
 
 あこがれの私立探偵業を始めてみたはいいが、密室殺人もトリック殺人もなく、執拗な妨害にあったり危機一髪をくぐり抜ける場面もなく、依頼が来るのは平凡なペット探しか浮気調査ばかり、と嘆く探偵はこの世に(現実世界はどうか知らないが、小説の中の世の中では)多い。しかしこの物語の探偵・紺屋長一郎と来たら、犬捜し専門の探偵として開業する。ところが、いきなり飛び込んできた仕事は失踪した孫娘の捜索。そして古文書の由来の調査というものだった。
 
 紺屋と違って、こちらはトレンチコートの探偵に強い憧れを持っている、高校剣道部の後輩だった通称ハンペーを雇うことになり、気が進まないまでも引き受けることになったふたつの案件を、ふたりで手分けして調査することになったのだが…。
 
 この人の書く世界ってちょっと独特の雰囲気がある。とぼけた味わいも持たせつつ、別々に引き受けたふたつの調査をうまくクロスさせることによって、ラストでトントントンと背後に隠れていた事実を明らかにするなど、しっかりと推理小説していた。探偵事務所「紺屋S&R」の物語はどうやらシリーズ展開される予定のようだが、まだ第二作は出ていない、のかな?次作ではどんな事件に取り組むことになるのだろうか。7点。
 

東野圭吾「プラチナデータ」 2010年11月27日

プラチナデータ

 著:東野 圭吾
幻冬舎 単行本
2010/07/01

 期せずして東野圭吾作品が二連続の読書となった。こちらもさすが東野圭吾と言うべき傑作だった。
 
 犯人の遺留物から DNA を分析することによって、年齢性別から顔の造形まで正確にプロファイルできるシステムの開発に成功した近未来の社会が舞台である。国家は全国民の DNA 登録を呼びかけており、これにより、犯罪が発生すれば即座に犯人を突き止めることができるのだ。これは究極の犯罪対策であると同時に、未曾有の管理社会となることを意味していた。
 
 スピルバーグ監督の映画「マイノリティ・リポート」(原作はフィリップ・K・ディック)を思い出す展開もあり、スリリングな謎とサスペンスが楽しめる。ただし、この作品は近未来小説ではあるが、SFと言うほどではなく、現在より少しだけ進んだと思われる科学技術が作品テーマのカギとなるほかは、旧来型の(←否定的な意味合いではない)推理小説でありサスペンスとなっている。
 
 読み始めはマイクル・クライトンとかダン・ブラウンも連想したが、そこまで派手な展開にはならない。しかしとてもよくできている。賛否両論が出るかもしれないが、本筋とは別に、派手で外連味のある展開やアクションを加えれば、より万人受けする作品としてハリウッド映画にもできそうだ。
 
 おおむね満足のいく物語だったのだが、唯一の不満はラストである。浮かび上がってきた巨悪が、結局温存されたままで物語が終わってしまうのはスッキリとしなかった。いつの時代どこの世界にも存在しそうな悪ではあるが、この作品内で明らかになった分くらいはキッチリとやっつけておくことで、それなりのカタルシスにはなったと思う。まあ単なる読者サービスにしかならないかもしれないが。。それでもともかく、面白味のある設定と展開は娯楽小説として十分に楽しめた。7.5点。
 

東野圭吾「ガリレオの苦悩」 2010年11月20日

ガリレオの苦悩

 著:東野 圭吾
文藝春秋 単行本
2008/10/23

 科学トリックを使った事件の真相を、物理学者・湯川が解き明かす、探偵ガリレオシリーズ。というよりは、あの超大ヒット作品「容疑者Xの献身」のシリーズと言った方が通りが良いか。いや、もしかして今は、あのテレビドラマの原作と言った方が分かる人が多いのだろうか。勢いに乗ってシリーズ長編作品「聖女の救済」(未読)と2冊同時刊行された、こちらは短編集。このシリーズ、シリーズ作品が少ない作者の作品群の中で、加賀刑事物と並ぶ代表的シリーズとして確固たるポジションを築いた。
 
 何がすごいといって、毎回新たに登場する科学応用トリックの謎解きだけで終わらず、さらにひとひねりや人間ドラマが加わっていることだ。むしろそちらが、それぞれの物語の核心になっている。これによって単なる謎解き推理小説にとどまらず、深みのある小説として成立しているのだ。東野圭吾おそるべし
 
「第一章 落下る(おちる)」犯人と目される人物は、その墜落を下から見ていた目撃者のひとりだった。アリバイ崩しの後のひとひねりが効いている。7.5点。
「第二章 操縦る(あやつる)」あれ、なんか知っていた。前に読んだ?いや、おそらくテレビで見たのだったか。短編にもかかわらず人間ドラマの深みを感じる傑作。8点。
「第三章 密室る(とじる)」旧友から密室の謎解きを依頼された湯川がたどり着いた事件の背景にあったのは。7点。
「第四章 指標す(しめす)」本書の中では本作のみ書き下ろし。被疑者の長女が行う不思議なダウジング(あるいはこっくりさん?)の真相は。7.5点。
「第五章 撹乱す(みだす)」湯川に挑戦する犯行予告が届くというストーリーは、先に読んだばかりの有栖川有栖「火村英生に捧げる犯罪」を思い出した。感じはだいぶ異なるが。7.5点。
 

有栖川有栖「火村英生に捧げる犯罪」 2010年11月13日

火村英生に捧げる犯罪

 著:有栖川 有栖
文藝春秋 単行本
2008/09/25

 作家・有栖川有栖と臨床犯罪学者・火村英生のシリーズ。ワンアイデアの掌編からやや長めの短編まで、全8編を収録した短編集。収録作品は、「長い影」「鸚鵡返し」「あるいは四風荘殺人事件」「殺意と善意の顛末」「偽りのペア」「火村英生に捧げる犯罪」「殺風景な部屋」「雷雨の庭で」
 
 この作品集で火村シリーズの短編集は記念すべき10冊目になるということだ。長編も含めると何冊目?本書でもごく短い作品から長めのものまでバラエティに富んでいるが、掌編は携帯向けサイトで発表された作品らしい。携帯サイトに書いてみませんかと依頼があったとき、さっと(?)長さも自由に書ける、作者にとってももっとも親しみのあるシリーズなのだろう。登場人物のキャラはもちろん皆しっかりしているが、とくにこのシリーズの作家アリスなんて、作者自身の分身として実在するかのような感覚があるのではなかろうか。読者から見ても、本物の有栖川有栖もこういうところがあるのだろうか、なんてつい思ってしまう。各話のミステリの出来もバラエティに富んでいるが(いや、全くのハズレはもちろん無いが)、作家が安心して書けるのと同様、読者も安心して読めるシリーズなのである。7点。
 

J.K.ローリング(松岡佑子・訳)「ハリー・ポッターと死の秘宝」 2010年11月03日

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

 翻訳:松岡 佑子
静山社 ハードカバー
2008/07/23

 世界中で大旋風を巻き起こしたハリー・ポッターシリーズもとうとう最終巻である。いや、と言っても日本語版が刊行されてから早2年が経っているので、とうとうも何もないものだが。図書館で予約なしに借りれるようになるまでそのくらい掛かったのだった。
 
 第1巻からこの第7巻までの間には、発表作品が随時映画化されて行き、原作に並んで話題を振りまいた。映画は最初の3作品くらいしか観ていないが、読むときはどうしても、登場人物などのビジュアルが映画のそれになってしまう。原作者は影響を受けなかっただろうか。もっとも、映画はかなり原作に忠実なイメージで作られていたと思うので、そんなことを考えても意味はないのかもしれない。本作、最終章の映画は二部構成となり、PART1 の公開がまもなく(11月19日)だ。ちなみに最近の流行りで 3D での公開を目論んでいたようだが、もともと 2D で撮影していたため、3D 化で十分なクオリティが得られないという理由から 3D 公開を直前に断念したらしい。
 
 閑話休題。前巻でいよいよ緊迫した雰囲気が盛り上がっていたが、本作では序盤から生命の危険と隣り合わせのアクションシーンとなる。結末に向けて勢い感のある幕開けだ。一方、毎巻のパターンもある程度踏襲されている。すなわち、作品の前半はわりとあっちへ行きこっちへ行き、例えばハリーとロンとハーマイオニーがつまらないことで言い争いになったりなどと、なかなか前進しない。ともすれば散漫とも思える展開である。しかし実はこの間にも様々な伏線が仕掛けられており、これらが最後には一気に明らかになって、結末の一点に向けて見事な収束を見せるのだ。この辺のプロットの巧みさは、毎回ながら作者の非凡な才能を感じるところだ。基本が子供向けファンタジーで(巻が進むにつれてだんだん子供向けとは思えないシリアスな展開になってきたが)、言葉遊びとかいかにも子供向けな要素は多いのだが(それもまた魅力のひとつであるが)、大人が十分楽しめる所以である。
 
 そして本作でついに迎えた物語のフィナーレ。本巻のみならずシリーズ全体を通しての終幕であり、作品発表前には結末に関していろいろな憶測が飛び交っていたものだが、きちんと大方の読者の期待に添うものになったと思う。これまでに残されてた謎と疑惑も解決し、多くの犠牲を出した末の、決して無傷の大団円ではない決着だが、安心できるラストとなった。「19年後」を描いたエピローグもなかなか魅力的だ。「物語の最終章は早くから書き上げられて金庫に保管されている」ということだったが、このエピローグのことだったのだろうか。今後も長らく読み継がれることになるだろうファンタジーの傑作に心からの拍手を送りたい。8.5点。
 

貴志祐介「悪の教典 上・下」 2010年10月22日

悪の教典 上

 著:貴志 祐介
文藝春秋 単行本
2010/07/29

 字がびっしりという程ではないが、それでも厚めの単行本が上下巻の2冊に分かれた大作である。
 
 東京都町田市にあるという、とある私立高校が舞台で、そこでは様々な問題を抱えていた。と言っても、それらはまあ学校ではよくある類の問題で、物語の出だしは、熱心で有能で生徒からの信頼も厚い若手教師・蓮実聖司がそれらの問題の解決にひとつひとつ取り組むというような様子が描かれる。しかし、だんだんと違和感が醸し出されてきて・・。この主人公である教師の裏の顔が見えてくると同時に、なにやら胡乱な雰囲気が物語世界に満ちてくる。
 
 本書の惹句には「ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー」とあったが、ピカレスクロマンとして読むには主人公が邪悪すぎる。また、サイコホラーって多くは被害者や犯人の周辺の視点から描かれることが多いのではないかと思うが、本作ではときどき視点は移るが、大方はサイコパス(蓮実)自身の視点なので、正体が見えない不気味さというようなものは無く、ホラーという感じもあまりしない(大量に人が死ぬところがホラーといえばホラーだが)。
 
 学校内で現在進行形のストーリーとともに、時折カットバックで蓮実の過去を描き、この怪物がどのように生まれ育ってきたかが少しずつ明かされていく。そうこうするうちに、現在のシーンでも蓮実の怪物ぶりが徐々に発揮され、不穏な空気がどんどん膨らんでいく。そして下巻、とうとうカタストロフィックな連続大量殺人劇の幕が上がるのだ。
 
 事件の結末は、とくに意外性に富んでいるというようなことはないが、まあ納得できるものとなっていた。ただ、エピローグに当たる終章はあまり必要性を感じなかった。余韻でほっとさせるようなことも、逆に怖さを感じさせるようなこともなく、むしろこの部分は蛇足のような感じがしたのはちょっと残念。しかしサスペンスの娯楽大作という点では文句のない作品だった。7.5点。
 

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