- 田中啓文「蹴りたい田中」 2006年08月10日
- 名前はわりとよく耳にしていたのだが、これまで読んだことがなかった作家さんだ。
本書は「茶川賞」を受賞した直後に失踪した田中啓文の遺稿集、という体裁で、実在作家による寄稿(追悼文?)なども交えて編まれた作品集となっている。ジャンルは「ハチャメチャSF」の流れを汲んだ(?)SF駄洒落小説とでも言うのだろうか?半分くらいは小説というより文章芸と言った方がしっくりくるかも。単純な駄洒落から元ネタを知っておかないと分からないものまでいろいろある。たぶんこれは何かネタなんだろうなあと思いつつも理解不能なところもあったりして、ある程度読者にも読むための「素養」が必要とされる(と言っても、敷居はさほど高くない、と思う)。ちなみに本書の表題作名のネタは言わずとしれた芥川賞を史上最年少受賞して話題を呼んだあれである。未読なので内容までネタにしているかどうかは分からないのだが、たぶん関係ない?6.5点。
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