読書日記

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米澤穂信「リカーシブル」 2014年03月03日

リカーシブル

 著:米澤 穂信
新潮社 単行本
2013/01/22

 ワケりで、母親と小学3年生の弟サトルとともに家族三人で、母親の故郷である田舎町に引っ越してきた中学一年生女子のハルカ。母親は失踪した父親の再婚相手で、ハルカは母とも弟とも血のつながりは無い。引っ越してきた町もなにやらワケありで、一見ただの寂れた田舎町なのだが、余所者に対していろいろ謎めいていた
 
 読み始めて最初は、シビアで重苦しい陰鬱な雰囲気の家族物語というような話かと思った。それは、まったく的外れでも無かったのだが、特異な町を舞台にした、ミステリアスでホラーな物語となっていた。キーとなるのは、この町に伝わる伝説のタマナヒメ。タマナヒメとは何なのか。そして弟のサトルは、町にやってきてからなぜ予知能力のようなものを発揮し始めたのか。
 
 物語が一気に動き出すのは最終盤になってからで、途中にあまり動きは無い。そこまでは、ただただ不穏な雰囲気が高まっていく。最後に、主人公であるハルカが、実はこんなに聡明な子だったのかと驚くような洞察力を見せて、町の裏面を喝破してみせる。なるほど、こんな…。ただ、消化不良な部分もまだ若干残ったように感じた。7点。
 

東野圭吾「白銀ジャック」 2014年02月19日

白銀ジャック (実業之日本社文庫)

 著:東野 圭吾
実業之日本社 文庫
2010/10/05

 たまたまなのだが、ここのところ東野圭吾を読む機会が多いな。本書は、最近時々見かけるようになった「いきなり文庫」の先駆けとなった文庫書き下ろし作品だ。その後、普通とは逆の順番で、ハードカバーの単行本でも出版された。
 
 スキー場が舞台で、スキーやスノーボードの描写が出てくる。ちょうどソチ冬季五輪開催中に読んだので、中に出てくるスノーボードの技の名前とか「あ、この間テレビで見た」というような楽しみもあった。
 
 閑話休題。ストーリーは、スキー場に脅迫が届くという内容のサスペンスミステリーだ。ゲレンデの雪の下に遠隔操作の爆弾を仕掛けてあると言い、爆発させたくなければ身代金を支払えと要求してくる。経営に対する悪影響を恐れた会社側は、警察には届けずに身代金を払うことを決めてしまう。この事件に、スキー場で一年前に起こった事故の存在も絡んでくる。
 
 作者がひと昔前によく書いていた雰囲気と構成を感じた。トリッキーな犯罪に直面した主人公たちが、犯人の狙いと謎に推理を巡らしつつ、立ち向かっていく。幾度にも渡る身代金受け渡しもサスペンスを盛り上げる。そしてもちろん単純な脅迫事件には終わらない。ただ、明かされた事件の真相は、意外性はたっぷりだったが、リアリティはあまり無く、さすがにこんな犯罪計画は現実的ではないだろうというものだったのがちょっと残念。また、一応ハッピーエンドなのだが、勧善懲悪ではなく、そこが少しすっきりしないように感じた。全体的には面白かったけど。7点。
 

貴志祐介「雀蜂」 2014年02月12日

雀蜂 (角川ホラー文庫)

 著:貴志 祐介
角川書店 文庫
2013/10/25

 生物パニックものと言うと、ヒッチコックの「鳥」を思い出す。ヒッチコック以降もこのジャンルの映画や小説は数多いが、本作ではスズメバチの群れが主人公に次々と襲い掛かる。そういえば自分も子供のころに蜂に追いかけられたことがあったのを思い出した。あれはけっこう怖い。ちっぽけな昆虫などと馬鹿にはできない。現実にも、スズメバチの被害というのは少なくないそうだ。
 
 某所の作者インタビューによると、どんどん厚くなってきた自作を振り返って、手軽に読める一冊として上梓した文庫書き下ろしだ。角川ホラー文庫で、そういえば作者はもともとホラーでデビューしていたっけ。初期作品の多くは同文庫から出版されている。
 
 サスペンス・ミステリー作家の安斎が主人公。別邸にしている人里離れた山荘で、ある朝目覚めると、妻が姿を消しており、スズメバチが飛び交っていた。安斎は過去にも刺された経験があり、医者からは次に刺されるとショック症状が出て命に関わると言われていた。山荘は雪に閉ざされており、電話も車も使えない状態にされていた。小説家である彼は、自分の「過去の作品」を思い出しては、そこからヒントを引っ張り出したりしてピンチを切り抜けながら、孤独な戦いを続ける。
 
 裏表紙の梗概で予告されていた通り、最終盤には物語の様相を一変させるどんでん返しが待っており、単なるパニックサスペンスから一変する。振り返ってみて少々腑に落ちないところもあったが、作者の狙った通り「手軽な一冊」として楽しめる作品となっていた。7点。
 

東野圭吾「祈りの幕が下りる時」 2014年02月02日


祈りの幕が下りる時

 著:東野 圭吾
講談社 単行本
2013/09/13

 期せずして、加賀恭一郎シリーズを続けて読んだ。本作はシリーズ最新作で第10作目となる作品。2013年の「このミステリーがすごい!(2014年版)」で第10位、「週刊文春ミステリーベスト10」では第2位
 
 冒頭に、加賀とは離れて暮らしていた母親の話が登場する。この物語は、殺人事件とともに、亡くなった加賀の母親を通して、加賀恭一郎という人物を掘り下げる内容にもなっている。加賀はなぜ日本橋署に赴任したのか、そこには本人の希望という理由があった。その理由も明かされる。
 
 父親や母親との関係など、加賀の家族の物語がこれまで以上にクローズアップされているので、本当はこれは、これまでシリーズの中で少しずつ描かれてきた事柄を踏まえていた方が良かっただろう。「赤い指」あたりの昔読んだところをだいぶ忘れてしまっていたのが残念。
 
 それにしても、このシリーズもずいぶん深みが出てきたものだ。もともとはあまり作品のシリーズ化を好まなかった作者だが、いまではいくつかの代表シリーズを持っている。そんな中で、作者の作家活動とそのまま重なると言っても良いのが本シリーズだ。おそらく最初は、シリーズ化を予定していたわけではなかっただろう。そのため、デビュー第2作「卒業」から始まり(加賀は大学生)、実験的な「どちらかが彼女を殺した」があったりと、作品の雰囲気もいろいろ様変わりしてきた。
 
 そんなシリーズも、またここで一区切りということなのか、本作をもって日本橋署から再び古巣の警視庁捜査一課に戻ることになるようだ。次はどんな物語が待っているのだろうか。
 
 ところで、東日本大震災の後、作者は原発問題にも関心を持っているように見える。「夢幻花」でもそうだったが、それらがさりげなく作品に反映されており、本書では原発作業員が登場して、少しだけだが被曝労働の実態などが触れられていた。7.5点。
 

東野圭吾「麒麟の翼」 2014年01月14日

麒麟の翼 (特別書き下ろし)


 著:東野 圭吾
講談社 ハードカバー
2011/03/03

 加賀恭一郎シリーズの第9作目となる書き下ろし作品。2011年3月の刊行で、すぐに映画化(阿部寛主演)されて翌年1月に公開された。前作で日本橋署に移った加賀刑事だが、今回の物語ではずばり日本橋が重要な役割を果たす。重厚な彫刻が施された日本橋という舞台装置は、観客に印象づける点でとくに映画には効果的だっただろう(映画は未見だが、自分もCMで印象に残っている)。このあたりは、もしかすると当初から映像化を想定して書かれたのだろうか。
 
 胸をナイフで刺された男性が、そのまま日本橋の麒麟像のたもとまで歩いて来て死亡するという事件が起きる。直後には容疑者と見られる若者が発見されるのだが、逃亡しようとした際の事故で意識不明となってしまう。なぜ被害者は瀕死の状態で日本橋まで歩いたのか。そもそもなぜ日本橋界隈にいたのか。なぜ殺されたのか。そして真犯人は誰なのか。
 
 被害者側からはその家族、とくに息子を中心とした物語として描かれ、一方で容疑者側からは恋人の中原香織にスポットライトが当てられる。その上でさらに、主人公である加賀と、その従弟で警視庁捜査一課の刑事の松宮脩平にも、事件捜査とはまた別のところの物語が描かれていく。複数の謎とストーリーが重層的に絡み合いながら物語が進んでいく東野節が全開である。そして最後にはそれらが収斂して、心揺さぶる人間ドラマとともに、意外な真相が明らかになって、ミステリ的にも充実した内容となっていた。謎の最中心部分のひとつは、ちょっと偶然要素が大きすぎるような印象も受けたが、それは全体から見ればほんの一部の不満だ。全体的にはさすが、人気シリーズの一作としてふさわしいと思える物語だった。7.5点。
 

東川篤哉「探偵部への挑戦状 - 放課後はミステリーとともに2」 2013年12月21日

探偵部への挑戦状 - 放課後はミステリーとともに2

 著:東川 篤哉
実業之日本社 単行本(ソフトカバー)
2013/10/26

 副タイトルが示すとおり「放課後はミステリーとともに」に続く、鯉ヶ窪学園探偵部のふたつのシリーズのうち霧ヶ峰涼もの第二弾で短編7編を収録している。第一弾と違って今回は、長編のメインシリーズ(? 今さら知ったのだけど、鯉ヶ窪学園は長編シリーズより、涼の短編第一作の方が先に書かれたのか)の探偵部トリオ(多摩川流司部長と八橋京介、涼と同じ2年生でもうひとつのシリーズの語り部役である赤坂通)も登場する。同じ学校、同じ部活にもかかわらず、これまで不自然なほど接点が見えなかったのだが、それ自体も作中でネタにして、満を持しての登場だ。さすがにいっぺんに出てくると涼の影が薄くなってしまうので、わりと小分けにして登場させている。
 
 新キャラもお目見えする。実践的な探偵活動を行うことを目的とした探偵部とは異なる、鯉ヶ窪学園ミステリ研究会の部長、大金うるるだ。涼とはエアコン繋がり。そして(ちょっとネタバレするが)その名前から当然(!)うるるには双子の妹のさららがいる。なお、さららは鯉ヶ窪学園の生徒ではなく、舞台となっている恋ヶ窪近くの実在の名門校、早稲田実業の生徒だ。早実って男子校だとばかり思っていたが、いつの間にか共学になっていたのか。ともあれ、高飛車キャラのうるると、ちょっと天然系なさららの美少女姉妹は今後も活躍しそうだ。他の生徒や教師陣も個性的だし、お馴染み『私鉄沿線コンビ』の刑事など、他のシリーズにも増してキャラが楽しいシリーズである。ところで多摩川部長と八橋のふたりは最後の話で卒業してしまうのだが、これは、シリーズのこの先に反映されるのだろうか。
 
 基本的には殺人事件とかではなく、学園の日常の中で起こる事件を描いている。本書の2編などは、うるるが用意した(ライバル視する涼に一方的に挑戦してきた)、部員の寸劇付きの「推理クイズ」の謎解きという体裁だ。どの短編も、ずば抜けてこそいないが、この種の短編ミステリとしては一定水準をきっちりクリアした、安定感のある出来映えだった。ギャグやユーモアも、文章にナチュラルに馴染んでいて、読んでいて楽しい。気軽に読めるミステリを探している人にはお薦めである。7.5点。
 

伊坂幸太郎「SOSの猿」 2013年12月11日

SOSの猿

 著:伊坂 幸太郎
中央公論新社 単行本
2009/11/26

 ふたりの人物をそれぞれ中心にした話が交互に語られていく。困った人がいると気にかかって仕方がない性格で、本業は家電量販店のエアコン販売員だが、悪魔祓いのようなこともする遠藤二郎視点のストーリー「私の話」。因果関係をくそ真面目に追求する性格で、コンピュータシステムのトラブルを調査する仕事に就いている五十嵐真のことを"孫悟空の分身"が物語る「猿の話」。これら二つの物語の切り替わりには、その印として、それぞれの人物のシルエットのアイコンが表示される。そういえば以前にもあったっけ、こういうの。「ラッシュライフ」がそうだった。
 
 もともと新聞連載として発表された作品で、しかもキーワードなどを共有した漫画作品と対になった競作作品だということだ。漫画は未読だがなかなか面白い試みである。ただ、もしかしたらそれが縛りになったのか、いや、そのせいかどうなのかは分からないのだけど、やや不満が残る出来映えだった。軽妙洒脱でユーモアにあふれた文章がこの作者の最大の持ち味だとは以前書いた。そのとき、作品によってはたまにそれが上滑り気味と感じる、とも書いたのだが、この作品はちょっとその部類に入る。ひとつひとつに大きな不満があるわけではないのだが、読んでいてどことなく全体のバランスが崩れてしまっている印象を受けた
 
 全体のストーリー的にも、舞台を完全に空想世界に振り切っているわけではなさそうなのに、語り部が孫悟空だったり、超現実的な現象が起きたりで、落ち着きが悪い。後半になり「私の話」と「猿の話」が収束して、現実的な枠組みの物語に引き戻されたかに見えたのだが、また揺り戻しがあって、結局どちらとも言えないままラストに至った。もともと現実からはわずかに遊離した独特の世界を描くことに特徴と魅力を持った作者だが、この作品はもっとどちらかに、はっきりと寄せていった方がすっきりしたのではないかと思う。6.5点
 

大沢在昌「鮫島の貌 新宿鮫短編集」 2013年11月17日

鮫島の貌(かお) 新宿鮫短編集

 著:大沢 在昌
光文社 Kindle版
2012/01/17

 あまり厚くもない本だが、各所で発表されてきたシリーズ10編の短編が収められている。従ってひとつひとつの話は短い。まとまった物語と言うよりは、長編の肉付けに挿入する一場面やエピソードを抜き出してきたようなものもあって、シリーズに馴染みがない読者がいきなり読んでもおもしろくないようなものもある。一方でシリーズ読者にとってはそれらも嬉しい番外編となっていたりする。最初の『区立花園公園』などまさにそれで、鮫島が新宿署に赴任直後の話を桃井課長の視点から描いたものだ。
 
 ほかに、晶の視点で描かれた『似た者同士』には「シティハンター」の冴羽りょうと槇村香が、『幼な馴染み』には「こち亀」の両さんが鑑識の藪の幼なじみとして登場するなど、人気漫画とのコラボ企画もあったりして(ただ、キャラにやや違和感があったが、作者は漫画はどれくらい読んでいるのだろう)、バラエティに富んだ短編集となっていた。これも、新宿鮫シリーズに加えて、それぞれの漫画を知らないと十分に楽しめないかも。
 
 そんなわけで、幅が広いというか、色々な楽しみ方が出来る福袋のような短編集であった。先にも書いたように、既刊の新宿鮫シリーズをあまり読んでいないという人には勧めないが、シリーズのファンなら必読の一冊だ。7点。
 

伊藤計劃×円城塔「屍者の帝国」 2013年11月10日

屍者の帝国

 著:伊藤計劃 , 他
河出書房新社 Kindle版
2013/02/15

 2007年にデビューして、高い評価を得ながら、2009年に34歳という若さで肺ガンのため夭逝した伊藤計劃。彼が、自身の第4長編として書き始めて、そのまま未完の絶筆として遺した原稿こそ、本書のプロローグ部分だ。しかし、遺されたの冒頭の30枚と、あとは簡単なプロットのみ。それを盟友・円城塔が引き継いで完成させたのが本作品である。「SFが読みたい!2013年版」で国内篇第1位
 
 19世紀末の世界が舞台だが、独自の科学文明が進化を遂げた、現実とは異なるパラレルワールドである。その世界観の中核となるのが屍者、すなわち、ゾンビあるいはフランケンシュタインの怪物の存在である。ヴィクター・フランケンシュタインが発明した死体操作技術は100年ほどの間に世界中で普及しており、屍者はインストールされた「ネクロウェア」に従って動き、死者が労働力として広く活用されている。屍者というと異様だが、位置付けは未来SFのロボットに近い。
 
 本書の語り手となるのはジョン・H・ワトソン。言わずと知れたホームズ譚の語り部である。ほかにも、実在と架空の有名人が混在しつつ多数登場して、現実の歴史と改変された歴史が織り成す世界で活躍する。こうして、緻密に構築された作品世界で物語は進んでいくのだが、自分にはやや重たかった。SFは好きだが、あまり重厚な本格SFだと、これまでもときどき消化不良を起こしてきたのだが、本書もいささかその傾向で、ストーリーとは必ずしも直接に結びつかない部分などが素直に入ってこなかった。しかしこういった仮想世界を描き出す厳密かつ精緻な記述は、きっと本格SF者にとっては高く評価するポイントになるのだろう。6.5点。
 

東野圭吾「夢幻花」 2013年11月03日

夢幻花(むげんばな)

 著:東野 圭吾
PHP研究所 単行本(ソフトカバー)
2013/04/18

 2002年7月から2004年6月まで「歴史街道」に連載されて、それを元に約10年後に改めて書き下ろされた作品。なぜ長い間単行本にならなかったのか。出版元のWebページにある著者メッセージによると、「難点が多すぎて、とても単行本にできる代物ではなかった」ということで、全面的に書き直されたらしい。では、本書は何とかつじつまを合わせた廃品利用のリサイクル作品なのかと言えば、とんでもない!非常に素晴らしい、完成度の高い物語になっていた。背景描写では、現代社会の実情を、とくに進歩の早いIT関係などで積極的に取り込んでいるが、改稿ポイントはおそらくそう言う部分ばかりではなく、もっと本質に関わるところまで手が入れられたのだろう。本作は第26回柴田錬三郎賞に決まったことが先月発表された。
 
 作中にも出てくる、10年ほど前にニュースになった青いバラの開発に成功という話題が、着想の第一歩かと最初は思ったが、連載開始はそのニュース以前で、どうやら歴史に関係ある題材と言うことで、江戸時代には存在したというこの「黄色い朝顔」が取り上げられたようだ。青いバラの話題は、本作にリアリティーを与える要素になっており、この辺、「天空の蜂」のときのような作者の先見性を感じる。「天空の蜂」と言えば、書き直された本作では、原発問題という3.11以降の極めて現在的な問題もテーマのひとつになっている。
 
 自然界には現存しないとされる「黄色い朝顔」が物語のキーとなっており、「黄色い朝顔」を巡るサスペンスには違いないが、直球ストレートなストーリーではなく、いくつもの物語と人物を重層的に絡めて、様々な謎やテーマを配置し、それらを伏線として最後にはきっちりと見事なエンディングに導いている。人間ドラマの側面からも、謎を中心にしたミステリとしての側面からも、秀逸な作品だ。もう何度も同じ感想を書いている気がするが、東野圭吾という作家は実に恐るべきである。こうなってくると逆に、単行本になり損ねた連載時のオリジナルがどういう物語だったのか気になるぞ。8点。
 

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