東山彰良「逃亡作法 TURD ON THE RUN」 2005年05月20日- 第1回「このミステリーがすごい!」大賞(2002年)で、浅倉卓弥「四日間の奇蹟」と大賞を分け合い(「四日間」が金賞で、「逃亡作法」が銀賞)、読者賞も獲得した作品。
近未来の日本かパラレルワールドの日本が舞台である。この世界では、刑務所は高い塀で囲うことを止め、かわりにアイ・ホッパーなるシステムを導入して受刑者を管理している。アイ・ホッパーは受刑者が刑務所から離れると、体内に埋め込まれたチップの作用で目玉が飛び出てしまうという代物である。グロテスクな仕組みであるが、その代わりに受刑者はかつてに比べると人間味のある服役期間を過ごすことができた。主人公・ツバメもわりとノンキな刑務所ライフを送っていたが、ある日、新入りの連続少女暴行殺人犯に復讐するため被害者の父親グループが刑務所に侵入するという事件が起こる。騒動の末、ツバメたち受刑者は集団脱走に成功する。アイ・ホッパーの発動のタイムリミットが迫る中、ツバメと数人の仲間、反目するグループ、そして復讐の父親達が入り乱れたドラマが始まる。 さて、選評を読むと大森望氏らに大絶賛されているのだが、正直に言ってなぜこの作品が「四日間の奇蹟」とともに大賞に輝いたのか理解できない(ちなみに「四日間の奇蹟」は最近とうとう100万部を突破というニュースが流れていた)。狙ったものではあろうが表現は上品とは言えず、安っぽいB級小説的だ。文章はつぎはぎだらけという印象で、リーダビリティーもよろしくない。しばしば状況を把握するのに苦労した。奇抜な設定と個性的なキャラ造形が目を引くことは確かだが、ストーリー展開も文章力もまだまだという感じがした。6点。
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