- 清水義範「やっとかめ探偵団と鬼の栖」 2003年11月13日
- 中編が2本収められている。前にも書いたかもしれないが、この作者の文章というのは独特で、小説でも小説っぽくない。ふと思ったのだが、小説と言うよりは脚本とかに近い気がする。本筋とは格別関係ない舞台設定や人物関係の説明などが詳しく書かれ、監督や役者に向けて説明しているような感じだ。読者も結局、この脚本家の(つまりは作者の)視点から一緒に物語を眺めることになる。
「やっとかめ探偵団と鬼の栖」幼児虐待が社会問題になる現代。そんな世相を反映してまつ尾婆さんの近所でも幼児虐待があったことを疑わせる一家失踪事件が起こる。さらに同じアパートの母子と、まつ尾自身のワケありの親子関係を絡めて描かれている。7点。 「やっとかめ探偵団と唐人お吉」まつ尾の義娘の康子が、仕事仲間と行った日帰り旅行先で青酸ソーダを使った殺人事件に遭遇する。続いて名古屋の新名所ツインタワーでも青酸ソーダ殺人事件が起きて。。最初の事件の動機が弱い。6.5点。
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