真保裕一「アマルフィ」 2011年07月16日 | アマルフィ
著:真保 裕一 扶桑社 単行本 2009/04/28
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すでにベテランの実力派作家として知られている作者だが、一般的にはやはりまだ、映画化された「ホワイトアウト」の原作者として覚えている人も多いだろうか。その「ホワイトアウト」で主役を演じた織田裕二を主演にして企画された新しい映画のプロット作り、シナリオ作りに参加し、小説版として仕上げたのが本作品である。映画が未見なので分からないが、小説と映画では完成した内容に大きく異なるところもあるようだ。ちなみに映画『アマルフィ 女神の報酬』(2009年7月公開)に続いて、テレビドラマ『外交官・黒田康作』(小説版タイトル『天使の報酬』)が放映され(2011年1月〜3月)、さらに現在は映画第二弾『アンダルシア 女神の報復』が公開中(2011年6月公開)である。 主人公の外交官、黒田康作は、物語冒頭から、お役人社会のことをはじめとして周囲のあらゆることに皮肉な目を向け、辛辣で遠慮のない言葉をはきまくる。役人らしからぬ行動派である。事務方トップ直々の意向を受けて世界を飛び回っており、今回は外務大臣の訪問を控えたイタリアへ派遣される。大使館総出で準備に追われる中、大使館に火炎瓶が投げ込まれるという事件が発生。さらに母子でイタリア旅行中であった日本人の少女誘拐事件が発生する。責任を負わないよう外交官は手を出すなと言う大使館の意向に逆らって、邦人保護という職務を全うするために、黒田は母親の矢上紗江子と行動を共にして子供の救助と事件解決のために駆け回る。身代金目的の誘拐かと思われた事件の背後には、周到に準備された恐るべき計画があった。 結果的に映画とは異なる展開になったとは言え、映像化を意識した緊迫の展開が詰め込まれている感じだった。予備知識から主人公はどうしても織田裕二をイメージしながら読んだが、ちょっとキャラに合わないようなところもあって、だんだん違う人物像も浮かんできたりした。でも映画を見たらまたイメージは変わる(戻る?)のかも。ともあれ、映画の原案ということで、もっと単純なプロットになっているのかと思ったら、案外しっかりと作り込まれており、作者らしい作品になっていた。7.5点。
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