読書日記

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五十嵐貴久「誰でもよかった」 2011年08月26日

誰でもよかった

 著:五十嵐 貴久
講談社 単行本
2011/03/18

 現実にもどこかであったような、繁華街での無差別大量殺人事件が発生する。犯人の若者はそのまま近くの喫茶店に逃げ込み、中に居合わせた客を人質にして立てこもる。警察は交渉人を投じて事件解決を図るのだが…
 
 これも最近ではよくあるように、犯人は事前にネット上の巨大掲示板に犯行を予告する。さらに犯行後にも新たな書き込みを行うのだが、解せないのが、警察は早い段階でそれに"偶然"気付くのだが、マスコミや一般人はなかなか気付かずに、警察関係者が「いつまで気付かれずにすむだろうか」「気付かれるのは時間の問題でしょう」などと話しているのだ。それって、どう考えてもあり得ないシチュエーションである。作者の知識不足、理解不足なのだろうか。とにかくリアリティを損なうことこの上ない。
 
 リアリティの欠如と言うことではさらに、犯人に対する交渉で、捜査一課長の悪手が連発される。実はこれにはある理由があったというのが最後に明かされる本作の肝になるのだが、これだけの大事件であり、多くの警察官が関わって、さらに上層部も注視している(口も出しているだろう)はずで、このような事態の推移というのはありえるのだろうか。疑問が残る。
 
 犯罪サスペンスは作者の得意分野だと思うのだが、残念ながら期待は大きく外された。一応、事件の途中経過を描く筆致はさすがで、実質的な進展があまりないにもかかわらず、ほとんど退屈はせずどんどん読み進められた。しかし、このラストは残念だ。結末に至るプロットがないまま雑誌連載を引き受けてしまったのだろうか。うーん。5.5点。
 

道尾秀介「向日葵の咲かない夏」 2011年08月22日

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)

 著:道尾 秀介
新潮社 文庫
2008/07/29

 第6回(2006年)本格ミステリ大賞の候補になった作品。ちなみにこのときの大賞は東野圭吾「容疑者Xの献身」。
 
 はじめに文句を書くが、ところどころに引っかかるところがあった。たとえば冒頭で主人公である小学4年生ミチオが同級生S君の自殺現場を発見するのだが、その後遺体が消えてしまったというのに警察が自殺の見方を固めるということがあるだろうか。あるいはミチオの3歳になったばかりという妹ミカ。三歳児にひとりで長時間留守番をさせたりするのは下手したら虐待にあたると思うのだが、ミチオの小学校の先生もそれには何とも思わないようである。2005年発表の本作はまだデビュー二作目ということもあってなのか、粗いところが多い気がした。
 
 さらに、妹のミカは3歳児にはあり得ないほど考えがしっかりしていて知識もあって、語彙も豊富でおしゃべりが達者なのだが、この違和感は最後まで読むことで納得できる仕掛けになっていた。ともかく何せ本作は、かなり挑戦的な作品だ。途中は幻想ホラーのような雰囲気を漂わせたり、遺体消失や殺人事件をめぐる謎解き物語のようだったりするのだが、読者は常に何かしらの違和感を感じ続けることになるだろう。その正体がつかめないまま最後まで行ったところで、物語全体を覆っていた狂気の正体が明らかになるという仕掛けである。解説子が述べているように好き嫌いが分かれる作品だと思う。自分にとっては、うーん、やはり好みからは外れている。しかし手の込んだ仕掛けには感心したし、再三にわたってページを戻って確かめさせられた。6.5点。
 

百田尚樹「ボックス!」 2011年08月15日

ボックス! 上

 著:百田 尚樹
太田出版 文庫
2010/03/18

 話題になっていた青春スポーツ小説である。作者は放送作家として活躍した後、2006年「永遠の0」で小説家デビューして、以後、精力的に作品を発表している。本作品は2008年に刊行されて、第30回吉川英治文学新人賞候補(2009年)となり、第6回本屋大賞では第5位に選ばれた。さらに映画化されて2010年5月に公開されている。
 
 全くの門外漢だったのに高校ボクシング部顧問になった24歳の女性英語教師・高津耀子と、それまでスポーツには縁が無く、中学ではいじめられっ子だった進学クラスの優等生・木樽優紀のふたりの視点から描かれている。優紀はあるきっかけから、ひ弱な自分を変えるために、幼なじみの鏑矢善平に以前から誘われていたボクシング部に入部する。鏑矢は怠け者でお調子者のヤンチャ小僧だが、ボクシングには天才的な才能を持っていた
 
 キャラの動かし方に違和感を感じるところがあるし、文章にもやや引っかかるところがあるにもかかわらず、面白さは文句なしで、一気に読んでしまった。全体の構成にしても、試合の場面など盛り上がるところにページ数を割くなどはあまり無くて、一定のペースで進んでいく。これがもの足りない感じもしたのだが、見どころは次々にやってくるのでやはり面白く読めたのだった。
 
 ちなみに題名の"box"(ボックス)とは「ボクシングをする」という意味の動詞で、以前はプロの試合ではレフェリーが選手に「ファイト!」と言っていたところを最近では「ボックス!」と言うのだそうだ。知らなかった。7.5点。
 

山本弘「去年はいい年になるだろう」 2011年08月11日

去年はいい年になるだろう

 著:山本 弘
PHP研究所 単行本
2010/04/02

 第42回星雲賞(2011年)の日本長編部門受賞作品。作者の名はもちろん知っていた。泣く子も黙る(?)「と学会」会長である。「トンデモ本の世界」シリーズは何冊も読んでいる。しかし作者の本業の方のSF小説を読むのはこれが初めてだ。SFは好きか嫌いかで言えば好きなジャンルだが、あまりコアでハードなSFにはちょっと苦手意識がある。普通の文学賞受賞作品だと手を伸ばしたくなるのだが、SF関連だと興味は引かれつつも、なんとなく敬遠してしまったりする。
 
 が、どうやら本作にはそんな心配は無用であった。普通に読みやすくて面白く、どんどん引き込まれていく。SFというとよく未来や異星などが舞台になったりするが、本作品の舞台はほぼ現在の日本である。一種の歴史改変ものなのだが、遠い過去が舞台というわけではない。非常に親しみやすい舞台設定なのだ。そして主人公の名前は山本弘。すなわち作者本人である。職業はSF作家で、「トンデモ本の世界」の仕事も手掛けている。その他も、つい「へえ、そうなんだ」なんて思ってしまうところがたくさんあるのだが、実際に現実をどこまで反映しているのかは分からない。しかし他にもどんどん実在の人物や団体が登場して、だんだんSFというよりは私小説のような趣になってきた。これはSF設定を使ったシチュエーションストーリーな、特殊な私小説なのか?
 
 このまま平穏に(?)結末を迎えるのかと思っていたら、かなり終盤近くになって突如としてSFっぽい大事件が勃発した。おおっ。でもこの大事件をもってしても結局、やはり話は主人公の個人的なところに収束していく。SFらしいオチ、というか"結論"も、あるにはあるのだが、やっぱり本作の核となっているのは、SFというよりは何かちょっと別のものという印象である。ストレートなSFではないが、SFを使ってこんな作品ができるという着想の斬新さが際立っていて面白かった。7.5点。
 

辻村深月「ロードムービー」 2011年07月31日

ロードムービー (講談社ノベルス)

 著:辻村 深月
講談社 新書
2010/09/07

 メフィスト賞から出てきたこの作者の最近の活躍ぶりはなかなかのものだ。意外だった、と言ったら失礼だが、実際、これまで一作(「凍りのくじら」)しか読んでいないので単なるイメージなのだが、そんなメジャー作家になるとは思っていなかった。今年、第32回吉川英治文学新人賞を受賞しているし、つい先日も受賞こそならなかったが直木賞に2度目のノミネートを果たしていた。そのうち、いや、きっと近いうちに直木賞も受賞するのではないか。作風としては、不安定な若者や少年少女の姿を描くのが得意な作家のようだ。
 
 3編収録の単行本が先に出ていて、その後2編を追加収録してノベルス版として刊行されたのが本書。追加のうち一編はほぼショートショートだ。ああ、読み始めてから気付いたが、デビュー作の『冷たい校舎の時は止まる』から生まれた短編集だと書かれている。『冷たい校舎〜』のスピンオフ集だったのか。そちらは未読なので再登場だという登場人物たちも分からないのだけど、たぶん先に『冷たい校舎〜』を読んだでおいた方が良かったのだろうなあ。
 
「ロードムービー」12歳のワタルとトシを取り巻くクラスの人間関係。そのクラスから除け者にされてしまった二人の闘い。さらに、大人の事情に反発して家出をする二人。12歳のリアルがどこにあるのかよく分からないが、ともかくそういったものが情緒豊かに描かれている。とある仕掛けもあるが、これは別になくても構わなかった。7.5点。
「道の先」中学生向けの進学塾で講師のバイトをする男子大学生が主人公。生徒のリーダー格で成績も良いがちょっと問題児扱いな女子生徒から好意を寄せられる。頭が良くて大人びた彼女だが、それ故の悩みも抱えていて…。おそらく『冷たい校舎〜』に出てきたのだろう主人公の過去を知って読めばまた別の視点からも読めたかもしれない。6.5点。
「トーキョー語り」ノベルス版追加分。これは、『冷たい校舎〜』からのスピンオフというより、前作『道の先』から派生しているのか。多感な高校生たちの姿が緩急のあるストーリーの中に描かれている。そしてそれらは前作とのつながりが分かるとさらに輝きを増して心に染みた。7.5点
「雪の降る道」心優しい女の子みーちゃんと、同級生の病気がちな男の子ヒロの物語。悩みと恐れを抱いて病床で過ごす少年は、少女につい冷たくあたってしまい、ある雪の日、みーちゃんが姿を消してしまう。7点。
「街灯」書き下ろしの追加分で4ページの掌編。意味がよく分からなかったが、これもたぶん『冷たい校舎〜』を読んでいれば分かったのだろう。6点。
 

真保裕一「アマルフィ」 2011年07月16日

アマルフィ

 著:真保 裕一
扶桑社 単行本
2009/04/28

 すでにベテランの実力派作家として知られている作者だが、一般的にはやはりまだ、映画化された「ホワイトアウト」の原作者として覚えている人も多いだろうか。その「ホワイトアウト」で主役を演じた織田裕二を主演にして企画された新しい映画のプロット作り、シナリオ作りに参加し、小説版として仕上げたのが本作品である。映画が未見なので分からないが、小説と映画では完成した内容に大きく異なるところもあるようだ。ちなみに映画『アマルフィ 女神の報酬』(2009年7月公開)に続いて、テレビドラマ『外交官・黒田康作』(小説版タイトル『天使の報酬』)が放映され(2011年1月〜3月)、さらに現在は映画第二弾『アンダルシア 女神の報復』が公開中(2011年6月公開)である。
 
 主人公の外交官、黒田康作は、物語冒頭から、お役人社会のことをはじめとして周囲のあらゆることに皮肉な目を向け、辛辣で遠慮のない言葉をはきまくる。役人らしからぬ行動派である。事務方トップ直々の意向を受けて世界を飛び回っており、今回は外務大臣の訪問を控えたイタリアへ派遣される。大使館総出で準備に追われる中、大使館に火炎瓶が投げ込まれるという事件が発生。さらに母子でイタリア旅行中であった日本人の少女誘拐事件が発生する。責任を負わないよう外交官は手を出すなと言う大使館の意向に逆らって、邦人保護という職務を全うするために、黒田は母親の矢上紗江子と行動を共にして子供の救助と事件解決のために駆け回る。身代金目的の誘拐かと思われた事件の背後には、周到に準備された恐るべき計画があった。
 
 結果的に映画とは異なる展開になったとは言え、映像化を意識した緊迫の展開が詰め込まれている感じだった。予備知識から主人公はどうしても織田裕二をイメージしながら読んだが、ちょっとキャラに合わないようなところもあって、だんだん違う人物像も浮かんできたりした。でも映画を見たらまたイメージは変わる(戻る?)のかも。ともあれ、映画の原案ということで、もっと単純なプロットになっているのかと思ったら、案外しっかりと作り込まれており、作者らしい作品になっていた。7.5点。
 

伽古屋圭市「遺稿」ほか(「このミステリーがすごい! 2011年版」収録) 2011年07月10日

このミステリーがすごい! 2011年版

 編集:『このミステリーがすごい!』編集部
宝島社 単行本
2010/12/10

 またさらに分厚くなった!?厚みの1/3を占めるのが第8回(2009年)の『このミス』大賞の受賞作家たちによる短編書き下ろし三本である。昨年末のランキング発表から早半年が経って、ランクイン作品は第1位の貴志祐介「悪の教典 上・下」以外はまだ読めていないが、そんなことはともかく、以下、本書に収録されている三編の小説の感想。
 
伽古屋圭市「遺稿」『パチプロ・コード』で優秀賞受賞の人。ある作家の転落死の真相は。一見オーソドックスで、地味目なミステリと思えるが、外枠に大仕掛けがあり、さらによく目を凝らすと実は細かいたくらみが色々と施されていた。受賞作も読んでみたくなった。7.5点。
中山七里「要介護探偵のチェイス」『さよならドビュッシー』で大賞受賞の人。車いすの老人(と言ってもきわめて元気)が探偵役ということでキャラは立っているが、各部の粗さや不自然さが目立った。受賞作『さよならドビュッシー』は本書の中の新人賞レビューでも最高得点になってるのだが…。6点。
太朗想史郎「少年カルト」『トギオ』で大賞受賞の人。新興宗教、いやむしろ戦前の天皇制カルトか。それを数段エスカレートしたような、ひとりの少年を絶対的存在と崇める社会集団の話。インパクトはあった。ただ非合理、不条理の物語になるのはよいとして、オチにはもう少し収束感が欲しかった。6.5点。
 

広瀬正「エロス」 2011年07月09日

エロス 広瀬正・小説全集・3 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)

 著:広瀬 正
集英社 文庫
2008/09/19

 集英社文庫から改訂新版で刊行された「広瀬正・小説全集」全六冊。「ツィス」を読んでから時間が空いてしまったが、全集の3冊目の作品である。第66回の直木賞にノミネートされた(第64回「マイナス・ゼロ」、第65回「ツィス」に続いて連続三回目)。
 
 この作品はタイトルで損をしているとどこかに書いてあった。たしかにそう思う。一応このタイトルに、意味というか内容との関連がないわけではないのだが、もっとほかの題名も考えられたのではないかと思う。読者が本を手に取りづらいと言うことももちろんあるが、単語ひとつで単純すぎて中身に対する興味をそそらないということもある。作者は、小説内容に全力投球して、題名などにはあまり気を遣わないタイプの作家だったのだろうか。
 
 ストーリーは現在(と言っても本書の書かれた時代〜今から40年前)と過去(戦前)を行ったり来たりしながら、さらにあり得たかもしれない「もうひとつの過去」が描かれていく、ホワットイフのパラレルワールド小説だ。時代をまたいだ物語という点では、タイムトラベルものの「マイナス・ゼロ」と共通している。
 
 しかし、「マイナス・ゼロ」のSFテイストや意外な展開を期待していると、趣はずいぶん異なる。巻末の解説で小松左京氏が述べているとおり「トリックとしては地味」である。とある大仕掛けはあるのだが。さらに小松氏は、本作品の性格を的確に指摘している。すなわち『SFの「時間もの」のコンセプトを利用して、「風俗小説」ないし「歴史小説」に新しいスタイルを持ち込もうとした』作品だというのだ。パラレルワールドがどうこうというのではなく、戦前の出来事や市井の様子を活き活きと描き出すことが本書の眼目だというのである。この点からは、歴史の記憶が日々失われていく中、この作品が書かれた当初よりも、今の方がさらに価値が上がっているかもしれない。奇想天外なSFも読みたかったが、これもまた良かった。7点。
 

高殿円「トッカン−特別国税徴収官−」 2011年06月30日

トッカン―特別国税徴収官―

 著:高殿 円
早川書房 単行本
2010/06/24

 先日本屋をひやかしていたら、本書と、発売直後とおぼしき続刊作品が面出しで陳列されて、イチ押しの扱いで売られていた。まったく知らない作家さんだったのだが、そんなわけで興味を覚えて読んでみることに。
 
 新人なのかと思ったら、ライトノベルジャンルですでに40冊以上も上梓している人気作家だった。おみそれしました。この作品もキャラ設定をはじめ、ライトノベルっぽいノリが強い。わりと漫画的な感じでドタバタしながら話が進んでいくが、目を付けた業界が面白い。税金にまつわる職業というと、本作の中でも触れられているように、映画で有名になったマルサがよく知られている。マルサは国税局の査察部のことで、巨額脱税などを調査し暴いていく部署である。一方で本書の主人公は徴収官、つまり払ってもらえない税金を集めに回るのが仕事である。その中でも特別国税徴収官、略してトッカンは、とくに悪質な事案を扱うのだそうだ。
 
 滞納者や脱税者と税務官の、税金の徴収をめぐる対決というストーリーになるのかと思ったら、もちろんそういうエピソードもあるが、むしろ中心は主人公の成長物語であった。徴収官である凉宮深樹が、冷徹なトッカン鏡雅愛の補佐として日々税金の徴収に明け暮れる中で、様々な経験を通して世の中のこと、そして自分自身のことを見つめ直していく。深樹の悩みや葛藤は、いささか青春もののベタな感じはあるのだが、それが税金という社会システムが抱える問題にまでつながっていく。細かいところで気になるところはあったが、ラストの幾重にもたたみ掛けるような展開はなかなか見事だった。7点。
 

我孫子武丸「さよならのためだけに」 2011年06月23日

さよならのためだけに

 著:我孫子 武丸
徳間書店 単行本
2010/03/18

 いつのまにかひっそりと(?)出ていた我孫子武丸の新作。刊行はもう一年以上前か。。気付いていなかった。基本的に寡作な作者である。たぶん同じような小説ばかりはあまり書きたくないのだろう。読者としては面白ければ"同じようなの"でも良いのだが。ということで、作者のこれまでとはまた少し違った小説となっていた。
 
 最初、概要を読むと何やらSFっぽい。遺伝子情報を使って理想の結婚相手をコンピュータが探し出してくれるようになった社会。コンピュータが人間を支配する未来像というのはSFではお馴染みの設定であるが、はたして作者はこれをどう料理するのか。
 
 コンピュータによる相性判断の特A判定で結婚した主人公カップルだったが、性格の不一致で、ハネムーンから帰ってくるなり別れを決める。しかしコンピュータの診断がほとんど絶対視されている社会では、想像を超える困難が待っていた。巨大企業と国家を敵に回して、はたして無事に離婚できるのか
 
 読み出すと、SFといってもこの近未来(?)社会の様子は、さほどには現代社会と変わらないようである。主人公たちもSF映画に出てくるような頭が切れてタフな主人公とは違って、迂闊なところはあるし頼りないしで、ちょっともどかしい。ということで、最初に予想したようなSFアクションサスペンスという風にはならず、どちらかと言えばドタバタ劇に近い物語となっていた。もちろん最後はハッピーエンド。7点。
 

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