- J.K.ローリング(松岡佑子・訳)「ハリーポッターと炎のゴブレット」 2006年05月27日
- ちょうどシリーズ第6弾の「ハリー・ポッターと謎のプリンス」日本語版が発売されたところだが、今回読んだのはシリーズ第4作目の作品で、刊行されたのはもう4年近く前になる。思えば1作目から3作目までを一気に読んだのが2002年1月のことだった。すでに本作「炎のゴブレット」は映画も公開済みで、いまは5作目「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」が撮影中とか。時が経つのは何と速いことか。
そういえばこの作品から日本語版は上下巻に分かれるようになったのだったっけ(セット購入が必須なのはいかがなものかと思うが)。小学生でも読めるよう字が大きめとは言えけっこうなボリュームである。しかし盛りだくさんのエピソードをテンポよく読ませる、ワクワクハラハラのストーリーは健在だ。いつものように意地悪な叔父さん一家のもとで過ごす夏休みから幕を開ける。そこにロン達ウィーズリー一家が迎えに来て(またいつものようにドタバタがあって)クィディッチのワールドカップ観戦へ。なかなか本題へ入っていかないが、ここで重要な伏線が張られていたりするから油断ならない。 ラストで明らかになる真相はいささか複雑で、登場人物に長々と説明させているところがスマートではなかったが、それでもいろいろ魅力的なエピソードが満載のストーリーは前作までと同様、充分に楽しめた。しかしハリーもずいぶん成長してきた。そして登場人物の成長に合わせて、ストーリーも以前と比べてシリアスな面が強調されはじめたようだ。未読の5,6巻では果たしてどんな展開が待っているのか。そしていよいよ最終巻となるはずの第7巻では、一体どんなフィナーレを迎えるのだろうか。7.5点。
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