石持浅海「三階に止まる」 2014年09月25日 | 三階に止まる
著:石持浅海 河出書房新社 Kindle版 2014/02/28
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著者の初短篇集なのだそうで、そう言われればたしかに長編しか読んだことが無かった。全8篇が収録されており、ミステリ、サスペンス、さらには怖い話系もあって、バラエティに富んでいる。 「宙の鳥籠」観覧車の中のプロポーズ。なのだがまず、二人の友人であり恋人であった人物の死について、その背後にあった事実を解き明かしてゆく。7点。 「転校」エキセントリックなエリート養成学校で行われている事とは。後味にかなりホラー風味が強い作品。7点。 「壁の穴」体育倉庫で殺されていた男子生徒が着せられた汚名をそそぐため、その友人が謎を解く。シリーズにしても良さそうなキャラかも。7点。 「院長室 EDS 緊急推理解決院」二階堂黎人企画のアンソロジーの中の1編として書かれた作品。烏賊川市から来た鵜飼探偵が登場したりする。6.5点。 「ご自由にお使いください」ほんの6ページのショートショート。行方が分からぬ青酸カリの在処は?6.5点。 「心中少女」ネットで知り合った二人が自殺場所を求めてやって来た廃墟には死体の先客が…。彼女はなぜ死んでいたのか?6点。 「黒い方程式」日常から非日常の世界へと一気にジャンプする展開。途中の二人の心理はあまり理解できないが、結末はまあ良し。7点。 「三階に止まる」3階に必ず一旦止まるマンションのエレベータという奇妙な謎。合理的な謎解きになればもっと良かったのだが。7点。 例によってリアリティには無頓着な作風で、不自然に感じる箇所が多い。初期の作品では、リアリティが欠けていても、違和感はさほど無くて、面白さが勝っていた気がするのだが、最近は引っかかってしまう。本筋に必要がある部分ならまだ良いのだが、必然性の無い設定などで引っかかると、やはり気になる。もう少し丁寧に考えて書いて、編集者などもチェックを入れれば作品の質がぐっと上がると思うのだけどなあ。
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