読書日記

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大崎梢「晩夏に捧ぐ 成風堂書店事件メモ(出張編)」 2009年05月29日

晩夏に捧ぐ<成風堂書店事件メモ・出張編> (ミステリ・フロンティア)

 著:大崎 梢
東京創元社 単行本
2006/09/30

 「配達あかずきん」に続く、本格書店ミステリシリーズ第二弾となる長編作品
 
 地方の老舗書店である、通称「まるう堂」に勤める元同僚の美保から杏子のもとに手紙が届いた。なんと店に幽霊が現れたという。しかもそれが原因で店が存亡の危機に立たされているというのだ。そこで以前から聞かされていた名探偵ぶりを発揮するアルバイト店員・多絵を連れて来て欲しいという。気が進まない杏子だったが、乗り気の多絵に後押しされて、ふたりで信州の高原へと乗り込む。
 
 前作でいまひとつ定まっていなかったキャラクターも、本作ではずいぶんしっかりとしてきたようだ。とくに多絵。仕事を覚えるのが早くてテキパキとこなすスーパーアルバイトとして一目置かれる一方で、手先が極端に不器用という愛すべき面も持つ彼女のもうひとつの顔が名探偵だ。本作では自信たっぷりの名探偵ぶりを見せてくれて、最後には関係者を一堂に集めての真相披露というお馴染みのシーンまで披露してくれる。キャラの成長も含めて、今後も楽しみなシリーズである。7点。
 

佐々木譲「笑う警官」 2009年05月23日

笑う警官 (ハルキ文庫)

 著:佐々木 譲
角川春樹事務所 文庫
2007/05

 「うたう警官」が文庫化にあたり改題された。北海道警察を舞台に描いた警察小説で「道警シリーズ」の第一弾になるようだ(シリーズはこの後「警察庁から来た男」「警官の紋章」と続いている)。
 
 私は初めて読む作家さんなのだが、すでになかなかのベテラン作家である。1979年に「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。 山本周五郎賞や新田次郎文学賞など数々の賞の受賞歴がある。最近まで寡聞にして存じ上げなかったのだが、やはり警察小説である「警官の血」が2008年版(2007年の作品が対象)「このミステリーがすごい!」で第一位となって話題になったあたりから、よく名前を見かけるようになった。
 
 タイムリミットサスペンス的な構成で書かれている。女性警察官の他殺死体が発見され、同僚刑事の津久井が容疑者として手配された。しかしなぜか捜査からは所轄が外され、津久井に対して射殺命令が出るなど、上層部が不可解な動きを見せる。実は津久井は、道警の汚職疑惑を糾明する県議会の百条委員会に、翌日、証人として召喚されることになっていた。射殺命令は口封じのためなのか。過去に津久井と組んで仕事をしたことがある佐伯は、津久井の無実を確信して、有志とともに独自の活動を始める。目的は、真犯人を突き止めて、津久井を翌日の百条委員会に無事送り届けることだ。
 
 もちろん本書はフィクションだが、北海道警の腐敗という近年現実の世界でも問題となった出来事が、舞台背景のモデルになっている。その点で本作は社会派小説な側面もある。ただ、全般的にリアリティに欠ける印象があった。道警汚職事件では、現実の世界でもフィクションかと思わせるほど色々とあったようだが、それを考慮してもやはり様々な点で引っかかった。あと、ベテラン作家が書いたわりには、ところどころストーリー運びにもたつきを感じた。ただ、そういう瑕疵はあるにせよ、面白くなかったわけではない。
 
 ところでなぜ題名を変えてしまったのだろう。本作の映画化(2009年11月公開予定)にあたり、元の題名が分かりにくいという理由でこうなったようだ。製作総指揮・監督の角川春樹氏からの提案? 内容から考えても、元の題名の方が断然優れていると思うのだが。7点。
 

首藤瓜於「指し手の顔 - 脳男II 上・下」 2009年05月18日

指し手の顔 上―脳男2 (1)

 著:首藤 瓜於
講談社 単行本
2007/12

 第46回(2000年)江戸川乱歩賞を受賞した「脳男」の続編である。同じ作者の「刑事の墓場」を読んだときに本作の存在を知って「是非読もう」と思っていたのに、なかなか読めないでいたのをようやく読んだ。
 
 前作「脳男」を読んだのが8年近くも前で、実は内容をほとんど忘れている。一応それでも本作を読むのに支障は無かったと思うが、再読してその世界を思い出しておいた方が、より楽しめたかもしれない。結局そのまま読んでしまったのだが。ちなみに「刑事の墓場」とのリンクもある。こちらはちょっとしたお遊びみたいなものなので、知らずともまったく問題ない。
 
 上巻の前半は物語がなかなか前に進まず、若干退屈したが、いったん事件が動き出してからはスリリングな展開の連続でたいへん面白かった。主要登場人物は、前作で、特殊な能力を持ち心を持たない男・鈴木一郎の精神鑑定を担当した精神科医の鷲谷真梨子、鈴木の事件に深く関わってきた刑事の茶屋。愛宕市で連続する元精神疾患者が起こした事件の裏に、事件を操る黒幕の存在を感じた真梨子らと、残忍で怪物的な能力を持った適役との闘い。そこに同じく怪物的な能力の鈴木一郎が介在することで、事件はさらに複雑で緊迫感あふれるものとなる。寡作な作者の底力を証明する力作である。7.5点。
 

大倉崇裕「聖域」 2009年04月30日

聖域

 著:大倉 崇裕
東京創元社 単行本
2008/05

 これまでとはまた大きく作風を変えてきた渾身作だ。山岳もののサスペンスミステリである。
 
 作者は大学時代は山に明け暮れていたのだそうだ。小説を書き始めるとき、まずは自分に身近な題材をモチーフにする人は多い。その伝でいけば、この作者はまず山岳ミステリを書きそうなものだが、これまでそんな気配はなかった。しかし実は作家になって初期の頃から書こうと思っていたそうで、本作品はかなり長い時間を掛けて仕上げてきたようである。それだけ思い入れの強い力作だということであろう。
 
 主人公の草庭はある事情から3年も山へ行っていなかったが、大学時代のパートナーであった安西から誘われて久々に山行に出かける。そしてその直後、安西が単独で行った塩尻岳で滑落したという知らせを受ける。塩尻岳は1年前に安西の恋人だった女性が遭難して亡くなった場所だった。安西ほどの熟練者がそれほど難しくない山で滑落事故を起こしたという事実が信じられない草庭は、それは事故ではなく、安西は殺されたのではないかとの疑惑を抱き、安西の足跡をたどりながら調査を始める。
 
 リアリティの面からは最後の方の展開や動機について不満がないではないが、小説として全体の出来はたいへん優れており、読み応えがある。さすがに長い間暖めてきただけのことはある。作者のこれまでの作品のファンにはもちろん、そうでない人にもお薦めできる力作だ。7.5点。
 

五十嵐貴久「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」 2009年04月21日

1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター

 著:五十嵐 貴久
双葉社 単行本
2007/10

 「XXX5年の○○」というのはシリーズなのかな?「1985年の奇跡」「2005年のロケットボーイズ」の系列に連なる作品である。えっと、でも「安政五年の大脱走」は違うよな?
 
 これまでのこのシリーズの作品は高校生を主人公にした熱血青春物語だったが、この作品では四十を過ぎた主婦が主人公だ。息子が高校浪人して、家庭内に微妙な居心地の悪さを感じていた彼女は、コンビニでパートの仕事を始める。そして悪友に誘われて、なぜかバンド活動を始めることに。高校生の頃、あこがれはあったが、当時は女の子バンドなど考えられなかった時代。それまでバンド経験などまったく無かった彼女は、もちろん最初は誰かに演奏を聴かせようなどとは思っていなかったのだが、息子が受験する予定の高校でクリスマスイブに開催される阪神大震災チャリティーコンサートでスモーク・オン・ザ・ウォーターを披露することになってしまう。
 
 ちなみにスモーク・オン・ザ・ウォーター(Smoke on the Water) はイギリスのハードロックバンド、ディープ・パープル(Deep Purple)の代表曲(1972年)であり、イントロから流れるギターのリフはおそらく世界でもっとも有名なメロディーのひとつだろう。
 
 内容との関連はほとんど無いようだが各章の題名がディープ・パープルの曲名になっている。そんなわけでこの本を読むときは(たいてい電車の中だったが)ウォークマンのイヤホンを耳に差し込み、パープルをBGMにして読んだ。クライマックスとなるシーンでは、スモーク・オン・ザ・ウォーターの歌詞がフルに書き出され、歌詞の間に短い文を挟んで実況的に表現されている。ここはもちろんスモーク・オン・ザ・ウォーターを聴きながら、曲に合わせて一緒に読んだ。もし曲をお持ちの方はこの読み方をぜひお薦めしたい。五割増しで盛り上がるハズだ。
 
 お約束的な展開ではあるが、ツボはきっちりと押さえてある。ところどころに思わずクスッと笑ってしまうくすぐりもまぶしてある。いっそもっとこの笑いの文章の密度を増やして、ユーモアミステリにすると、さらに楽しくなるのではないか。広い作風を誇る多才な作者ならそれも可能だと思う。7点。
 

湊かなえ「告白」 2009年04月15日

告白

 著:湊 かなえ
双葉社 単行本
2008/08/05

 「このミス!」で第4位「文春ミステリーベスト10」では第1位、そして2009年の本屋大賞を獲得した作者のデビュー作。
 
 第29回小説推理新人賞(2007年)を受賞した「聖職者」は、中学校の女性教師が、ホームルームで自分の娘を殺した犯人がこのクラスの中にいると語り出す衝撃的なストーリー。まあストーリー自体はミステリとして特別にすごいということはないのだが(と言っても高レベルの出来)、短い中に様々な要素を盛り込みながらも一切無駄が無く伏線となって、最後にはすべてが収束する。相当に推敲を重ねたのではないかと思える非常に丁寧な作りである。
 
 本書の最大の特色は、その新人賞受賞の短編を第一章としたうえで、さらに五つの章を加えて、全六章の長編にして一冊の作品としてあることだ。初めの三章はそれぞれ雑誌掲載作、後半の三章は書き下ろしだ。それぞれの章ごとに一人称で語る人物を変えて、ひとつの事件から始まる悲劇の連鎖を描いていく。連作短編風でもあるが、後ろの方の話は前を読んでいないと分からないだろう。一方、前から順に読んできたら、どこで読み終えることもできる。しかし、読み進めるごとに事件の輪郭が少しずつ変わっていくのだ。
 
 人によっては章が進むごとに加わる新たになる展開に、そこまでやらせるのかと、あざとさを感じるかもしれない。しかし意外性が身上のミステリ小説的にはこれはアリだろう。それぞれの章の、だんだん盛り上げてきて最後にバタバタッと意外性のある展開を見せながら結末になだれ込む流れも巧い。ハッピーエンドにはならずちょっとぞっとさせる感じで終わるところは、オカルト要素などは一切無いのだが、ホラーを読んだときに感じるような感触がした。7.5点
 

北川歩実「もう一人の私」 2009年04月08日

もう一人の私

 著:北川 歩実
集英社 単行本
2000/09

 人物の入れ代わりだったり虚像の自分だったり「もう一人の私」をモチーフ(のひとつ)に、どんでん返しを基調にしたミステリらしいミステリの短編集。
 
「分身」植物状態で寝たきりになった従兄弟の身代わりを務める男。結末のどんでん返しはよいが、動機等の根底となる部分にはだいぶ無理を感じた。6点。
「渡された殺意」自分は本当の自分じゃなかった?乳児取り違えの秘密を盾に、大人しい中学生男子が殺人を依頼される。7点。
「婚約者」ある男のもとに、その男の名前を騙った男と婚約してしまったという見知らぬ若い女性が乱入してきたが…。7点。
「月の輝く夜」パソコン通信で年齢を隠して親密になった女性から逢いたいと言われた中学生。その本当の相手とは?7点。
「冷たい夜明け」ある宗教団体が極秘裏に開発した遺体の冷凍保存と蘇生というSFホラーな展開のミステリ。6.5点。
「閃光」天才と呼ばれたある数学者。ラストはひとひねりを加えてあるのだが、ひねった着地先から片足がはみ出してしまったような不完全燃焼感が残った。6.5点。
「ささやかな嘘」アイドルと秘密交際していたという嘘から出た実とさらなる嘘。そして生み出された恐怖。7.5点。
「鎖」嫌々ながら悪徳セールス会社に勤め、出席させられた自己開発セミナーで別の参加者を死なせてしまった男。オーソドックスだが、すっきりまとまって良い出来。7.5点。
「替玉」かつて受験の替え玉をしてやった男に、逆に依頼した替え玉の内容とは。ちょっとラストのひねりが物足りない。7点。
 

米澤穂信「遠まわりする雛」 2009年03月23日

遠まわりする雛

 著:米澤 穂信
角川書店 単行本
2007/10

 古典部シリーズの四冊目の連作短編集。って、えっ、そうなの。長編三作が先にあったのか…。シリーズ第4弾とは知らずに図書館で借りてきた。先行の長編三作は「氷菓」(作者のデビュー作)「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」。ちなみにこの作者を読むのは「インシテミル」以来の2冊目。
 
 本書収録の各話の初出を見ると順番がばらばらで、本書にまとめるにあたって作品中の時系列に合わせて並べたようだ。日常の謎&安楽椅子探偵の系統で、ライトノベル風のキャラクター小説的でもある。「古典部」って何なのか読んでもよく分からないが、とにかくその古典部に所属する4人で話が進む。面倒くさいことが嫌いで省エネをモットーにする主人公・折木奉太郎が、好奇心旺盛で育ちのよい千反田えるに頼られて不本意ながら(?)安楽椅子探偵になるというのがパターンのようだ。
 
 収録作品は「やるべきことなら手短に」「大罪を犯す」「正体見たり」「心あたりのある者は」「あきましておめでとう」「手作りチョコレート事件」「遠まわりする雛」の7編。表題作「遠まわりする雛」のみ書き下ろし。「心あたりのある者は」は第60回日本推理作家協会賞短編部門の候補作になっている。謎解きにこじつけなところがあるのはまあ安楽椅子探偵ものの常である。従ってミステリが好きでない人にはあまり面白くないかもしれない。もっとも、キャラに重点を置いて読めば別の味わいも出てくるだろう。読み進むうちに作品世界になじんできたせいもあってか、最後の三作あたりがとくに良かった。7.5点。
 

真保裕一「栄光なき凱旋 上・下」 2009年03月14日

栄光なき凱旋 上

 著:真保 裕一
小学館 単行本
2006/04/17

 ロサンゼルス出身で銀行に就職が決まっていた優等生のヘンリー。反抗心が強く、あえて日々を底辺の肉体労働に励んでいるジロー。ハワイ出身で明るく前向きな性格のマット。あまりにも苛酷な時代の波に翻弄される3人の日系二世の若者達の運命を描いた青春群像。作者渾身の超大作である。
 
 時代は太平洋戦争前夜から幕を開ける。食うや食わずの貧しい生活を送っていた日本から、成功を夢見て移住してきた移民の一世達はアメリカでは国籍を得ることができず、苦労を重ねてきた。そんな親の世代を見て育ってきた二世たちは、白人と肩を並べて完全なアメリカ人になろうとする者、一世と同様に日本という国に強い愛着を持つ者、様々である。そのような時代に、ひたすら戦争への道を歩んでいた日本がとうとう真珠湾に奇襲攻撃を仕掛けて、日米間の戦争が始まってしまう。"卑怯な日本"に対する怒りと、もともとあった根強い偏見と差別が相まって、米国は日系人強制収容政策を実施する。日系人達は否応もなく、日本とアメリカ、ふたつの国の間に立たされ、引き裂かれてしまった。戦争を仕掛けてきた日本に怒りを向ける者もいれば、差別的な米国のやり方に怒る者もいる、日系二世たちにどんな未来が待っているのか。
 
 歴史を学ぶということは、年表を暗記することではなく、その最大の意義は、人類の失敗を学び、教訓を得ることだと思う。戦争の歴史はとくに、そのような二度と繰り返すべきでない失敗と教訓に満ちている。この作品はもちろんフィクションではあるが、戦争の歴史から学ぶべき教訓や心にとめておきたい警句もたくさん出てくる。ふだん漠然と心の中で考えていながら、巧く言葉で表現できないということがよくあるのだが、さすが言葉を職業にしている作家。ずばりと的確な言葉で表現されていて、思わず書き出して残しておきたいような言葉もしばしば出てきた。
 
 執筆にあたっては相当大量の資料を読み込んだのだろう。その分説明が長くなったり、連載ということもあってか同じようなことの繰り返しなる嫌いはあったが、もちろん読みにくいということはなく、作品からあふれる何かがひしひしと伝わってきた。上下巻の大作であるが、それ以上の重みをずしりと感じる作品だ。8点。
 

伊坂幸太郎「死神の精度」 2009年02月23日

死神の精度 (文春文庫)

 著:伊坂 幸太郎
文藝春秋 文庫
2008/02/08

 えーと、もうけっこう昔の話題作だ。文庫化されたのが一年前。読んでみたいと思いつつなかなか読めずにいた。人間とは感覚がちょっとズレていて、人間社会の常識や語彙が微妙に怪しいクールな死神の目から見た人間たちの物語を集めた短編集である。
 
 死神像はふつうに連想するようなイメージとはまったく異なっている。もっとも最近では、いろいろな物語で、それぞれにユニークな死神が考案されているわけだが。本書の死神は役人的な組織に属しており、指示された対象者に憑いて(?)観察を行って、死の可否を判断する。といっても大半が「可」だし、何のためにそんな調査をしているのかは分からない。基本はヒューマンドラマなのだが、本格ミステリっぽかったり、ハードボイルドっぽかったりと、各話それぞれ、バラエティーに富んだスタイルで書かれている。ハッピーエンド的な終わりの話もあるが、大半が「可」のため、結局その後には死が待っていると思うとどの話も切ない。
 
「死神の精度」表題作はあるパッとしない女性の物語。彼女の周りで起ころうとしている変化を死神はどう判断するのか。7点。
「死神と藤田」あるヤクザの生き様を魅せるストーリー。死神だけに分かる未来が肝になって余韻を残すラスト。7.5点。
「吹雪に死神」謎とトリックを詰め込んだ吹雪の山荘の連続殺人というベタな本格テイストとの融合が面白い。7.5点。
「恋愛で死神」まず結末が語られる。向かいのマンションに住んでいる、男が思いを寄せる女性のところで起こる事件。7点。
「旅路を死神」殺人を犯して逃亡する若者と死神の奇妙な旅。若者が自暴自棄になった原因をめぐるちょっとしたミステリになっている。7点。
「死神対老女」死神の正体を見破った、海辺の高台で美容院を営む老女がした依頼の理由は?他の話は順不同だがこの話だけは最後に読むべし。7.5点。
 

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