- 大森望、豊崎由美「文学賞メッタ斬り! ファイナル」 2013年02月10日
書籍としては4年ぶりの刊行となり、とうとうファイナル、完結宣言と相成った。さすがに5冊目ともなると、新鮮味のあるネタはあらかた尽きたか。本書は、企画はあったが長く頓挫していたものらしいが、メッタ斬りの最大のネタ元でもあった石原慎太郎の、悪口雑言を残して芥川賞選考委員を辞任という出来事がトリガーになってついに刊行された。 と言うわけで、内容は「さらば、石原慎太郎!」をはじめとして、定番コンテンツである年二回の芥川賞・直木賞の受賞予想と結果の感想を前回以降2008年から2012年までの4年間分、「選評・選考委員メッタ斬り!」、受賞作家である道尾秀介や円城塔との鼎談などが盛り込まれている。ほぼ全編が会話形式、すなわちふたりの対談、プラスアルファを交えた鼎談、座談会になっている。 ちなみに、芥川賞・直木賞メッタ斬りは、以前は半年ごとにWeb上でテキスト公開されていたわけだが、昨今はラジオ番組(ラジオ日本「ラジカントロプス2.0」)の企画として続いており、音声コンテンツがポッドキャスト配信されていた。一度しか聴いたことなかったが、本書ではそれらを文字起こしして収録している。今後もラジオは続けるらしいが、書籍にまとめるのは本書で一応最後と言うことで、やっぱり文字で読みたいなあと思う。Web掲載も復活して欲しいところだ。7点。
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